発売日:2020年2月5日
ページ数:248ページ
何度か選書サービスを利用したことがあります。
自分で選ぶ本は同じジャンルばかりだし(私はノンフィクションばかり選んでしまいます)、たまには自分が全く読んだことがないジャンルの本を読んでみたいなと思い、選書サービスを利用しました。
お店によって違いますが、申し込みをしてからアンケート(悩みや生い立ち、好きな本のジャンルなど)を聞かれたり書いたりして、それをもとに本を選んでくれます。
大体3~5冊くらい選んでくれて、本の合計金額も上限1万円と決めてくれていたり、上限はないけど選んだ本の中から好きなのだけを購入すればいいというシステムだったり、少しずつ違います。
でも、自分では絶対に選ばなさそうな本が必ず入っていて、なぜその本を選んでくれたのか、毎回面白いなあと思いました。
選書サービスのほとんどは書店が行っていたり、元書店員さんが個人で行っていたりするパターンで、募集も自社のサイトやSNSなどがほとんどです。
ところが、この本の著者は出会い系アプリを使って選書サービスの募集をやっていたことがとても面白いなあと思いました。

この本のタイトル見た時には、もっとふざけた内容なのかと思ってました。
ところが非常にまじめで面白い内容でした。
著者の花田さんはヴィレッジヴァンガードの店長をしていた方です。
(出会い系で本の紹介をしてる時は現役店長さんでした)
私生活で夫と別居したり、それまで10年間勤めていたヴィレッジヴァンガードの経営方針が変わり仕事も行き詰ってしまった時に、新しいことに挑戦してみようと思い出会い系アプリに登録します。
(そこでどうして出会い系なのか?という疑問はあるのですが。。。)
あとからだんだんわかってくるのですが、出会い系と言っても男女関係だけを求めるようなアプリではなく、趣味仲間や同性の友達探し、ちょっとした話し相手探しなどにも使われているようなアプリです。
最初の頃は本のオススメなんかどうでもいいから男女関係を求めるような人が続いたりしますが、会うのはカフェや喫茶店など人目が多い場所なので、案外安全だったりします。
回数を重ねるうちにどんどん面白い出会いが増えていき、そこから別の知り合いや友達ができて、人の輪が広がっていきます。
自分でイベントを行うようになり、出会い系での本のオススメをやめることになります。
夫との離婚も転職も上手くいき、花田さんの人生は前に進んでいくところでこの本は終わります。
本をオススメしていた花田さんが自分の体験談を本に書くことになり、ご本人が1番ビックリしているという感じでした。
本の最後に出会い系で知り合った方にオススメした本の一覧も載っています。
現在、花田さんはヴィレッジヴァンガード退職後に転職した書店も退職し、東京の高円寺にご自身で書店を経営なさってます。
機会があればぜひ花田さんの書店に行ってみたいなーと思っています。
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