発売日:2010年2月1日
ページ数:137ページ
タータンチェックは、日本人にとって身近で馴染みがありますよね。
私はカシミアのタータンストールとマフラーを長年使っています。
ストールとマフラーはスコットランドに留学した際に購入しました。
今はカシミアも比較的安く購入できますが、留学時大学生だった私にとっては清水の舞台から飛び降りるくらいの高額でした。
今売られている比較的価格の安いカシミアと違い、スコットランドで購入したものは分厚くしっかりしたものでした。
このストールとマフラーは留学時の思い出の品として、大事に使っています。

この本は、2010年に出版されたもので多少古いのですが、今まで読んだタータンに関する本の中ではダントツにわかりやすい本です。
タータンの歴史、スコットランドの歴史が説明されているだけでなく、スコットランドの美しい風景の写真もふんだんに載せてあります。
ちょっとした観光情報も写真と共に載っています。
この本の一番凄いところは、ユニバーサル・タータン(一般の人が身につけることができるタータン)の図鑑(見本写真)が載っていることです。
タータンには物凄い数の種類がありますが、ユニバーサル・タータンだけでもこんなにあるのか!と驚きます。
一言でタータンチェックと私たちは言ってますが、タータンの種類にはいろんな分類があるんです。
こんなにいろいろ分類があるんです。
クラン・タータン:クランに属する人だけが身につけることができる。家紋のようなもの
ディストリクト・タータン : 地域、地方に根ざしたタータン。クラン・タータンがない人が着用
ユニバーサル・タータン : 誰が身につけてもよい一般向けのタータン
ハンティング・タータン : 狩猟に出かける時に身につけるタータン
ロイヤル・タータン : 王室が身につけるタータン
アーム・タータン : 軍隊の制服用タータン
コーポレート・タータン : 企業や組織がイメージアップや販促のために作ったタータン
記念タータン : 人物やイベントの記念のために作られたタータン
普段、一口に「タータン」と言っていますが、これだけの種類があるんです。
私たちが日本で購入してるのは、ディストリクトかユニバーサルなんだろうなーと、この本を読んで初めて知りました。
記念タータンとして日本と関係があるのは、ハローキティ50周年を記念して作られた「Hello Kittyドレスタータン」。

スコットランドにあるタータン登録所に正式登録してあります。
タータン登録書に正式登録されたタータンは、日本の商標登録と同じで登録されたタータンを勝手に使用したり、真似したりすることはできません。
タータンは企業のデザイナーさんがいろんな色を組みわせて作っていて、誰でも商品などに使用できると思っていたのですが、タータンの登記所できちんと登録管理されていることを初めて知りました。
そのようにして歴史と文化の象徴であるタータンを、政府主導で守ってることを知り驚きました。
単なるファッションのデザインだと思っていましたが、こんなに奥深かったとは。。。
留学する前にこの本を読んでいたら、もっと興味深くタータンを現地で見ることができたのになあと残念に思いました。
スコットランドの写真もとても素敵ですしタータンとはなんぞや?から学ぶこともできて、日本人にとって馴染みのあるタータンについて学べるこの本は、タータンチェック好きの人には最適の本だと思います。
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