日本の陰陽道にも影響を与えたと思われる中国の呪い-「中国最凶の呪い 蠱毒」村上文祟

ノンフィクション

発売日:2024年8月27日

ページ数:272ページ

怖そうな本の紹介でごめんなさい。。。

たまたまネットで「蠱毒」というワードを見かけて、「なんじゃそれは?」と思い、この本を読んでみました。

「蠱毒」とは中国で呪いをかける時に使われる薬のことです。

「蠱毒」の「蠱」はこの薬が何かを端的に表しています。

大量の毒虫や蛇などを皿(実際には壺)に入れて最後の1匹になるまで殺し合いをさせます。

生き残った1匹(蜘蛛だったり蛇だったり、その時によって違います)を使って粉薬を作り、それが「蠱毒」になります。

もうね、正直、グロいんですよ。この本にはざっくりと「蠱毒」の作り方が書いてありましたが、読んでるだけで想像してしまって、気持ち悪かったです。

その「蠱毒」を使ってどのようにして呪いをかけるのか、丸ごと1冊使って歴史を踏まえながら書かれています。

「蠱毒」を使った呪いは、食べ物やお酒に「蠱毒」を入れ、密かに相手の体内に入れます。

それによって相手は病気になり、じわじわと死んでいきます。

「蠱毒」を飲んだからといってすぐに死ぬわけじゃないんです。3年くらいかけてじわじわと殺していくというやり方でした。

蠱毒を使って呪いをかけるのは「蠱師」と呼ばれる呪術師で、相手に対して恨みがあるから呪う場合と金銭目的で呪う場合があるそうです。

蠱毒を使う「蠱師」は一般的に結構裕福らしく、それは呪いの依頼料もありますが、裕福な人を「蠱毒」を使って殺し、その人の財産がすべて自分に入ってくるように呪術をかけているとのことでした。

そのため、蠱師は村八分にされることが多く、ひっそりと目立たないように暮らしているそうです。

昔の話かと思いきや、現代でも中国では蠱毒を使った呪いが信じられていて、最近ではネット通販で「蠱毒を使った惚れ薬」なども売られているそうです。

(惚れ薬は蠱毒の一種と考えられているらしい)

呪いを解くには蠱毒の解毒薬を使ったりするようですが、一番の解毒は呪いをかけた蠱師を見つけ出してどんな呪いをかけたのか、呪いを解除するように蠱師に頼むようです。

解毒するのはなかなか手間がかかりそうだなと思いました。

中国には木などで作られた呪物を埋める呪いの方法もあるようで、それらが日本に伝わり陰陽道の呪術の一種になったようだという歴史的な背景も書かれており、興味深く読みました。

この本を読んで思ったのは、欧米の呪いは割と派手な感じのものが多いのですが、中国や日本などのアジアはじわじわ、じっくり呪い殺すという違いがあり、この蠱毒による呪術も「エグいなあ。。。。」と思いました。

じわじわ来る恐怖を知りたい方にはおススメの本です。

それにしても中国の呪いは凄い。。。

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