不動産に関わるミステリーを次々解決していく面白い小説-「問題物件」大倉崇裕

小説

発売日:2016年7月12日

ページ数:408ページ

2025年1月から始まったドラマ「問題物件」。

上川隆也さん主演のドラマです。

たまたま見たのですがとても面白くて、ハマってしまいました。

原作があるのかな?と探したところ、原作小説を発見。

早速読んでみました。

小説とドラマでは登場人物の設定や状況がかなり違うのですが、不動産を巡るさまざまなミステリーを解決していくストーリーはとても面白く、原作に対して遜色なくドラマが作られていることがよく分かりました。

この本は2013年にソフトカバーの単行本として出版され、2016年に文庫化されました。

最初に出版された時からすでに12年が経つのですが、主人公である若宮恵美子が就職氷河期世代であることが印象的でした。

若宮恵美子は介護関係の学校を卒業したのですが就職先がなく、たまたま応募した大手不動産会社で採用されます。

縁もゆかりもない不動産業界で働くことになったのですが、介護の資格を持っていた若宮は事故で亡くなった旧社長の息子、雅弘の介護をすることになります。

不動産会社に籍はそのままで、総務課での事務仕事と雅弘の介護を担当します。

雅弘は現在20歳で両親を亡くした時はまだ12歳でした。

幼かった雅弘の代わりに旧社長の弟である高丸が現在社長を担っていますが、旧社長の息子である雅弘を追い出すために様々な無理難題を仕掛けてきます。

雅弘は難病で寝たきりなので、代わりに若宮が解決していくのですが、舞台が大手不動産会社なので不動産にまつわる無理難題が持ち込まれ、それにミステリーも絡み、摩訶不思議なストーリー展開の連続でした。

何が摩訶不思議かというと、若宮が無理難題を押し付けられて困っていると、どこからともなく探偵の犬頭さん(ドラマで上川隆也氏が演じている)がやってきて、あっという間に解決してしまうのです。

この犬頭さん、不思議な力を持っていて解決していくのですが、どうやら人間ではなく雅弘が大切にしている犬のぬいぐるみ「犬太」の化身ではないか・・・と若宮は薄々思っています。

不動産に関する問題や謎は「それ、解決するの無理じゃん」と思うような物ばかりなのですが、読み進めているとカラクリが見えてきて、「はあ~、そういうオチかあ(感心)」の連続です。

読みやすい文章でどんどん読んでいくことができます。

400ページ弱の小説ですが、すらすら読めます。

続刊もあるのですが、最終的に雅弘はどうなるのか、犬頭さんはどうなるのか、その時若宮はどうやっているのか、目が離せません。

分かりやすくて面白いミステリーを探してる方にはおススメの本です。

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