コロナだけじゃない!感染症流行を歴史から読み解く本-「感染症の世界史」 石弘之

ノンフィクション

発売日:2018年1月25日

ページ数:384ページ

感染症って、新型コロナだけじゃないんだよなーと改めて認識させられる本でした。

感染症というと、コロナ前まではインフルエンザとか水疱瘡とかをイメージしていました。

でも、インフルエンザも水疱瘡も予防接種があるから、全国民が困るような大流行になるというイメージがありませんでした。

この本では、インフルエンザやエボラ出血熱、HIVなど様々な感染症の起源、感染経路、感染拡大の特徴などについて非常にわかりやすく書かれていました。

感染症というものが病気単体で考えるものではなく、環境問題や都市部への人口の集中など、人間の生活が便利になればなるほど、それに対する戒めとして発生してくるのかなあと思わずにはいられない内容でした。

この本の良い部分は、マラリア、エボラ出血熱、デング熱、HIVなどの重篤で怖い感染症のことだけでなく、インンフルエンザやはしか、ヘルペスなど本当に身近な感染症についても詳しく書いてあったことです。

はしかなんて、「子供の頃に必ずかかるもの」という認識が強かったので、この本を読んで「あー、そういえば、はしかも感染症なんだよなー」と改めて考えさせられました。

子供の頃にちょこっと体力落ちてたりした時にできた口の周りの水疱。

あれもよく考えたら感染症なんだよなー、日和見感染だもんなあと、日常生活では忘れてしまっているような感染症についても、重症化すれば命を落としかねない危険性を改めて実感させられました。

それにしても、感染症って、本当に山のようにあるんだなあと改めて思いました。

新型コロナだけではなく、インフルエンザもその他の感染症も、いつ強毒化して襲ってくるのかわからないものなんだなあと実感しました。

歴史から見てみると、感染症は過密化した都市部での大流行を定期的に繰り返しているので、あまりにも生活が都市化するのは本来はよくないのかもしれないと思いました。

また、この本ではほとんどの感染症の起源は中国とアフリカだと書かれており、中国の衛生状態の悪さについても詳しく書かれていました。

中国との関わりなしで生活や経済が回っていくとは思えないけど、やはりなんでもかんでも中国で生産して中国頼みの生活というのは、警戒すべきなのでしょう。

今は交通手段が発達し、ある国で発生した感染症があっという間に世界中に広がってしまう時代なので、完全にシャットアウトすることは不可能なのです。

コロナ禍のマスクが足りなかった状況などを振り返ってみて、国内でもう少し衛生製品を生産するようにするとか、いろいろ考えていかないと、深刻な感染症にさらされた時のリスクは増えていくだろうなあと感じました。

この本、内容はとてもわかりやすいし、文章も平易でわかりやすいのですが、なぜかなかなか読み進まなくて、読了するまでにやたら時間がかかってしまいました。

新型コロナだけに限らず、今後もいろいろな感染症が発生するだろうということ、何十年、何百年に1回のサイクルで大規模なパンデミックが発生することなど、長期的な視点で感染症を考えるのにはとても良い本でした。

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