発売日:2021年9月15日
ページ数:183ページ
2018年末まで浅草に住んでいました。
銀座線の田原町駅からほど近いところに、ある日とっても素敵な本屋さんができました。
たまたま歩いていてこの本屋さんを見つけました。
倉庫のような建物、中2階があり天井が高く、広々とした空間。
本のセレクトも独特、なおかつ興味深いラインナップで、何度か足を運びました。
またこの本屋さんでは様々なイベントをやっていて、私はしおりに関するイベントに参加したことがあります。
洗練されて素敵な空間だけど、気取った感じはなくて、下町の親しみやすさもあるとても素敵な本屋さんでした。
その本屋さんのオーナーが自伝を出したよ!と東京の友人から教えてもらったので、早速読んでみました。

この本の著者である書店のオーナーさんは元大手新聞社の記者で早期退職して本屋を開業なさいました。
この本では、前半は新聞記者時代の話が詳しく書かれていて、半ばくらいからどのように本屋開店の準備をしていったのかが細かく書かれています。
この本を読んでも「どうして本屋をやろうと思ったのか」はわかりませんでした。
ただ、入念に準備をして開業したことはよくわかりました。
この本屋さんは新刊だけを扱っているのですが、ベストセラーや売れてる本はほとんど扱っていません。
オーナーの独自の視点で選ばれた本が並んでいて、実際に何度が店舗に足を運んでいますが、なかなか面白いラインナップです。
開店当初からフェミニズムや差別問題に関する本が多い印象だったのですが、それはオーナーの思い入れがあるようでした。
本屋業だけではなく、著者や編集者などを呼んでのトークショー、読書会、俳句会など、様々なイベントをやっていて、とても面白いお店でした。
オーナーが元新聞記者だったこともあり、文章教室もやっています。
私も一度受けたことがあるのですが、私は自分が文章を書くのが得意なほうだと思っていたのですが、プロの指摘や着眼点にとても驚かされました。
この本ではオーナーの家族についてちょこちょこ書かれています。
何度か店舗でお見かけしていたのですが、奥様が若いなあという印象でした。
オーナーは当時58歳だとおっしゃってたのですが、お子さんもとても小さいなあと思っていました。
この本で奥様が17歳年下で、開店当時はお子さんもまだ3歳だったことが分かり、とても驚きました。
この本は2021年9月に出版されているのですが、コロナ禍でも経営を続けられ今も頑張ってらっしゃる様子が伺えました。
現在私は地方都市に住んでいるのですが、東京に行く機会ができたら、ぜひまた立ち寄りたいと思いました。
私にとっては浅草生活後半にはいつもこの書店があったので、そのお店が今も存続していることにほっとしました。
この本屋さんReadin’ Writin’ BOOKSTOREのHPはこちらです↓
この本を読んでから書店に伺うと、さらに楽しめると思います。
最近は全国的に独立系書店が増えてきましたが、書店のオーナーさんがどのような思いでお店を立ち上げたのか等が分かると、ますます楽しめるなあと思っています。
書店が閉店している昨今、新しく書店を立ち上げてくださる方がいるのはとてもありがたいと思います。
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