出版日:2020年1月8日
ページ数:220ページ
9年前に夫を亡くしました。
相続手続きなどがすっかり終わり自分では全部処理が終わったと思った矢先に、ネットの有料サービスから請求書が来ました。
びっくりしました。
数千円程度の金額だったのですが、亡くなった夫のクレジットカードも銀行口座も解約したことによって引き落としができず、請求書が来たわけです。
亡くなった夫はネットやパソコンに詳しく、有料サービスや当時は今ほどメジャーではなかった電子決済サービスを利用していました。
これらは本人がネット経由で契約しておりIDもパスワードも私は知りませんでした。
なによりそれらの契約をしていたこと自体、知りませんでした。
有料サービスに関することをネットで調べ、その会社にメールで問い合わせたり電話で問い合わせたりして、本人が亡くなったことを伝えて解約しました。
その経験があったため、たまたま本屋さんでこの本を見つけて読んでみました。
まさに現代の遺品整理を象徴する話だな思いました。
この本にはネット経由でFXや株取引をやっていたりネット契約のみの保険に加入している場合、遺族はそれらをさかのぼって調べていかなければならないし、解約も本人でなければできないケースもあるため、非常に手続きが複雑で大変だと書かれていました。
IDもパスワードもわからないのですからなおさらです。
現在は電子決済も盛んになり、スマホひとつでお金のこともやれるようになりました。
お金が絡んでくる処理は本人確認をされたり解約も簡単にできないので、今後のデジタル遺品の整理は非常に大変になるだろうなと思っています。
ブログやTwitterなどのSNSは本人の死後家族が対応しない限り、アカウントはそのまま残ってしまいます。
亡くなった家族がSNSをやっていたかどうかも、家族間で知らなかったというケースも多いでしょう。
追悼アカウントとして残す場合はいいのですが、ブログやTwitterをやっていたということを知らない場合、そのまま放置になってしまいます。
下手をするとその放置したアカウントが乗っ取られる可能性もあります。
私はいくつかのSNSをやっていますが、急に自分が死ぬことになったらその後はどうするのかなとふと考えてしまいました。
匿名で書いてる場合はまだしも、本人特定ができるような名前やニックネームでブログやSNSをやっている場合は、そこから個人情報(亡くなった本人も家族も)が特定されてしまうので、それはちょっと問題があるんじゃないかなと思いました。
まだまだネットに関する法律は整備されていなくて、今後自分の終活を考える時にどうすべきか、対応しておかなければならないと思いました。
SNSは気楽に簡単に始められるけど、実際に自分が急に怪我や病気で動けなくなったり、急死したらどうするかを少しでもいいから考えておいたほうがいいんだろうなあと、この本を読んで思いました。
法整備も進んでいないし明確な方法はこの本には書いていませんが、考えるきっかけにはなると思います。
ひとりひとりが考えてある程度の対応をしておかないといけないと思いました。
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