日本は韓国をヘイトしてる場合ではないと危機感を持つ本-「失われた賃金を求めて」

ノンフィクション

出版日:2004年12月1日
ページ数:267ページ

日韓関係で問題が起きると、韓国に対するヘイト感情がネット上で一斉に起きることがあります。

ヘイトの投稿を見てみると韓国は民度が低い、様々な物事に対する意識が遅れているという内容もちらほら。

この本を読むとその認識は一気に変わります。

韓国をヘイトしたり、見下したりしてる場合ではないです。

「男女間の賃金格差問題」や「男女雇用均等」に関しては韓国とほとんど同じ問題を抱えています。

男女賃金格差に関してはOECD加盟国中、ワースト1位が韓国、次いでワースト2位が日本です。

この順位はいつ入れ替わってもおかしくない。

韓国をヘイトしたり見下す前に、日本は今の状況を改善しないといけないと真剣に思わされる本です。

日本と韓国がここまで同じ問題を抱えているとは思いもしませんでした。

日本でも男女の賃金格差は問題になっていますが、韓国も全く同じです。

同じ内容の仕事をしていても女性の賃金は男性よりも低く、出世の道も女性にはなかなか開かれません。

女性で出世している人は男性の何倍もの努力を強いられたり、男性が出世する際にはやらなくてもいいような根回しなどをしなければなりません。

また、女性が出世するといわれのない誹謗中傷も付きまといます。

仕事の採用でも不利益を被ることが多く、「美容整形大国」である韓国では就職面接時に「どうして整形していないのか」と問われることもあったそうです。

これは男性に対しては行われず、女性だけが「美容整形して面接に挑むのが当たり前」という風潮があるからだそうです。

女性が仕事をしていても、家事、育児、介護の負担は女性にのしかかり、毎日の食事や掃除洗濯などは女性が仕事を持っていても女性が行っているとのことでした。

この本を読んでいて、「あれ?これって日本のことじゃないの?」と錯覚してしまったほどです。

日本と酷似している韓国社会の男女格差の状況を読んでいて、これは日本一国だけの問題ではなく、アジアに見られる傾向なのかなと感じました。

また、それを修正して男女平等を実現させようとするならば、今までの社会の常識や思い込みなども根底から考え直して修正していかないと無理なのではないかと思いました。

日本も韓国も昔に比べたら少しずつ変わってきていると思いますが、婚姻率や出生率の低さを考えると、女性にとって生きづらい世の中であることに変わりません。

「韓国が~」と他国を批判したりヘイトするのは簡単ですが、日本もその国と大して変わらない状況であることを、自覚すべきだなあと思いました。

どの国でも大なり小なり様々な問題を抱えていますが、男女の格差をなくすことが国を発展させていくには重要になるのかなと考えさせられる本でした。

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