出版日:1986年10月1日
ページ数:26ページ
この本は絵本です。
出版は1986年、36年間もの長い間読み継がれています。
私はこの本を友人から贈られました
数年前に前夫を亡くし、悲嘆に暮れていた時に救われた本です。
大事な人が死んでしまうとすべてを失ったように感じますが、亡くなった人はいろいろな知恵を授けてくれていて、その知恵はいつまでも残っているんだよと教えてくれる本でした。
年老いたアナグマが自分が死ぬ時期がもうすぐ来ることを悟ります。
そして、ある日静かに亡くなります。
同じ森に住んでいるみんなは、アナグマが死んでしまってもう二度と会えないことをとても悲しみます。
春になり、みんなはそれぞれ、アナグマからいろんなことを教えてもらったことを思い出します。
モグラはアナグマからハサミの使い方を教わったことを思い出します。
カエルはスケートのやり方を教えてもらいました。
キツネはネクタイの結び方を、ウサギのおくさんは料理のやり方をアナグマから教えてもらいました。
アナグマは死んでしまって、もうこの世にはいないけど、アナグマとの思い出や教えてもらったことはいつまでも残る。
そのおかげで、森のみんなは心豊かに暮らしていけるというお話です。
私も亡くなった前夫から学んだことは本当にたくさんあって、今の私があるのは前夫のおかげだと思っています。
彼は命をかけていろんなことを私に示してくれたんだろうなと思う時があります。
「死」というものは、悲しくて辛いことであるのは確かなのですが、亡くなった人との思い出やその人から教わったことは自分の中に一生残ります。
そのことを絵本という形で教えてくれるこの本は、最高の贈り物だと思います。
死別というのは、多大な精神的ショックを受けます。
大人でも子供でも大事な人が亡くなった意味を深く考えさせられます。
その時に活字が多い本を頭に入ってこないし、なかなか慰めにもなりません。
大事な人が亡くなった意味、現実の世界にはいなくなってしまったけれどその人が残してくれたことがたくさんあるんだよということを、絵本という形で分かりやすく教えてくれるのはとてもありがたいことだと思います。
大事な人を亡くされた方にぜひ教えてあげて欲しい絵本です。
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