書店員さんの仕事がよく分かる本-「本屋図鑑」いまがわゆい

エッセイ

発売日:2022年5月14日

ページ数:176ページ

本好きな人なら、一度は書店で働くことに憧れを抱いたことがあると思います。

大好きな本に囲まれて、興味のある本の表紙を眺めながら仕事をする。。。

そんな幻想を誰でも持ったことがあるのではないでしょうか?

私もそんなことを考えたひとりです。

好きな本の発売日やこれから出版される本の情報も早く知ることができそうだし、なにより興味のある本をすぐに購入できる。

そんな魅力的な要素に惹かれていました。

でも、あれだけ大量の本の情報を覚えなければならないし(実際にはジャンル担当が決まっているので全部の情報を覚える必要はない)、接客技術やさまざまなことへの対応もある。

うーん、私じゃ務まらないだろうなあと思いました。

実際の書店員さんのお仕事を知りたいと思い、読んでみました。

著者のいまがわゆいさんは、岡山県の書店に勤務する現役の書店員さんです。

書店員の仕事が大好きで、どんな仕事をしているのか多くの方に知ってほしいという思いで4コマ漫画を描き、Twitterで発信していたそうです。

それが書籍化されたのがこの本です。

コミックエッセイなのでスラスラ読むことができます。

各章の最後に書店や本に関する豆知識エッセイ(文章)が書かれています。

本の後ろに表示されているISBNコード(バーコード)の読み方、レジ周りの秘密、本の流通についてなど、興味深い話が盛りだくさんでした。

特に私が興味を持ったのは書店で売れ残ってしまった本の返品。

書店は在庫を持たない(売れ残ってしまった本は出版社や取次に返品できる)ということは知っていましたが、どうしてそれができるのか今まで知りませんでした。

書店に置いてある本はすべて書店が「買った」在庫だと思っていたのですが、実は出版社や取次から「借りている」在庫扱いなんです。

だから書店の所有在庫ではなく、あくまでも出版社や取次から「お借りしているもの」であり、期日内(90日150日など書籍によって期間が異なる)なら返品できるというシステムなのです。

これは知らなかった。。。。

返品の判断も売り上げやさまざまな情報を見ながら判断しなければならず、なかなか大変な作業であることがよく分かりました。

売れてないから返品すればいいや!ということではないようです。

書店員さんの仕事で一番大変なのは、やはり配架です。

毎日次々入荷してくる新しい本や追加の本を、限りある棚スペースにどのように配置するか、どのタイミングで売れない本を引き上げるかなど、毎日毎日書店員さんは頭を悩ませて本を配置しています。

しかも雑誌、マンガ、書籍、文庫、児童書、絵本など多種多様な本が毎日大量に入荷されるのですから、分類と配架だけでも相当な肉体労働だなと思いました。

本当に書店員さんの努力には頭が下がります。

書店員さんの大変さ、書店員という仕事のすばらしさや面白さがこの本から伝わってきます。

この本を読んでから書店に行けば、楽しさ倍増間違いなし!です。

本が大好きな人にぜひ読んでもらいたい本です。

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