外国語を使った仕事をしたい人が読むべき本-「語学で身を立てる」 猪浦道夫

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出版日:2003年2月14日
ページ数:208ページ

語学を武器にして仕事をしようと考える時、どんな職業を思いつきますか?

私は昔から英語が大好きで、学生時代にいずれは英語を使った仕事をしたいと考えていました。

その時に思いついたのは、「通訳」「翻訳」。

当時は情報も少なく、それくらいしか思いつきませんでした。

この本では「通訳」「翻訳」の他に、「語学教師」「語学力を活かして起業する」という道も示されており、「なるほど、そういう手もあったか!」と目から鱗でした。

また、通訳、翻訳というと、フリーランスでやってる人をイメージすることが多いと思いますが、この本では企業内通訳、企業内翻訳で活躍することも書かれていました。

私自身も大学を卒業してから企業内翻訳の仕事をずっとしていました。

語学を活かした仕事の情報を得るのにとても良い本でした。

もっと若い頃にこの本を読んでいたら、いろんな可能性を視野に入れて職業を選択することができただろうなあと、思いました。

(この本は、2003年に初版で出版されていました。2013年に購入したのですがそのまま放置していました。もっと早く読めば良かった。)

私は大学卒業後、企業内翻訳、貿易関係の仕事に就くことができたので、当初の「英語を使って仕事をしたい」という目標は達成しました。

でも、それはあくまでも企業勤めが前提にあるので、語学だけの仕事ではなく、秘書業務や一般事務やさまざまな庶務もやっていました。

それが不満だったわけではないのですが、語学だけで仕事をする他の方法はないのだろうか?と当時は思っていました。

この本にはいろいろな道が書かれています。

語学を活かして仕事をする可能性の広さに気づきました。

この本で紹介されているケーススタディーの方々は、本当にものすごい努力をしている方たちばかりで、改めて語学を習得することの大変さを思い知らされました。

旅行でちょこっと話せる程度でいいのならここまで勉強しなくてもいいのですが、語学を武器にしてそれで生計を立てるとなると、並大抵の努力ではダメだということがこの本にはよく書かれています。

私自身も経験していますが、語学を仕事で使うレベルまで上げるには、時間とお金と労力をかなりつぎ込まないと身につかない。

簡単に話せるようになる、簡単に外国語がわかるようになる方法なんて、どこにもないんだなと改めて確認しました。

今は英語を使う仕事から退きましたが、今でも英語の勉強は続けていて、やはり語学は一生勉強なんだなあと改めて思います。

語学を活かした仕事というと、どうしてもその外国語のスキルのほうにばかり目が行ってしまいますが、この本でも書かれていたのは日本語力の重要性

いくら外国語がペラペラでも、それをきちんとした日本語に置き換える能力、高い日本語力がないと仕事にならないと書かれていました。

私の尊敬する通訳仲間が同じことを言っていて、通訳や翻訳の仕事は日本語力が大事と何度も話してました。

外国語だけ勉強して日本語を蔑ろにしていては、結局語学を武器にして仕事していくことは難しいのです。

最近はすぐに絶版や購入不可になってしまう本が多い中、初版から20年が経つのに今でも読まれているこの本は非常に貴重だなと思いました。

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