出版日:2012年3月21日
ページ数:269ページ
2020年1月下旬に公開された映画を見てから原作を読みました。
映画のDVDはこちら。映画も最高に面白かったです。
実在する大手ゼネコン前田建設工業株式会社さんの実話です。
建設業のイメージアップ、業界を広く知ってもらうことを目的に、社内に本当に作ってしまった「ファンタジー営業部」。
ボランティアベースで各部署から数人集め、アニメや漫画に登場する建築物を現在の技術で作ったらどうなるのかということを真剣に検討する部署だそうです。
この本は、ファンタジー営業部が手掛けた第一弾である「マジンガーZ格納庫」編です。
本当に建設するわけではないのに(というか、架空の建物なので建設するのは無理)、真面目に技術検討をし、図面を描き、見積りまで詳細に作るというこだわり!
そのプロセスを全て、この本では紹介されています。
マジンガーZが汚水処理施設下の地下格納庫から出てくる時のリフト性能検討、汚水処理施設の水槽内の水の水圧対処法検討、格納庫建設予定地の土質調査、工事の技法選定などなど、本当にそこまでやったんだ?!と驚くようなことが書いてありました。
グループ会社や他社メーカーさんを巻き込んでの大検討。
最終的な見積りは予算72億円、工期6年5ヶ月。
ここまでやる前田建設工業さんには驚きました。
いくら建設業への理解を広めるための活動とはいえ、通常業務も忙しい中、よくこれだけのことをやったなあと感心してしまいました。
また、この本では詳細な図面、見積りの詳細な内訳まで全て公開しており、そのオープンさにも驚きました。
架空の工事だから適当にやるんじゃなくて、架空でもなんでも真面目に検討して見積りを作る部分にも驚いたし、この活動と情報公開を容認している前田建設工業という会社に驚きました。
映画はとても面白いので、まずは映画を見て、それからじっくり本で図面や見積書の確認をするのをおススメします。
普段はなかなか縁のない業界ですので、ゼネコンって何やってんの?という人には是非読んでほしいと思います。
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