香港の将来を予言した本 – 「香港」 遊川和郎

ノンフィクション

出版日:2017年6月1日
ページ数:251ページ

最後に香港に行ったのは2019年12月です。

当時、香港民主化デモが激化していて、滞在していた時も連日激しいデモが繰り返されていました。

2020年7月には「香港国家安全維持法」が施行され、中国の取り締まりが強化されました。

2019年~2020年の1年で香港の状況がここまで劇的に変化するとは思ってもみませんでした。

香港の目まぐるしい変化に圧倒され、読んだのがこの本です。

この本は予言書のような本です。

こんなにも香港の将来を正確に予想してる本はなかなかないと思います。

2017年6月に出版された本ですが、2023年になった今振り返ってみても、ここまでピッタリと香港の状況を予想していたことに驚かされます。

この本では香港の歴史、イギリスから中国に返還された背景、返還後にどのようなことが起きるのか、今後の香港の展望が細かく書かれています。

過去に起きたことが書いてある本はいくらでもありますが、この本のすごいところは執筆した当時(7年くらい前)ピタリと今の状況や今後の展開を予測しているところです。

香港の一国二制度が揺らぎ始め、どのように香港が進んでいくのかを正確に予測しています。

2019年に香港に行って驚いたのは、前回の香港旅行から3年しか経っていないのに、街中で英語が通じなくなってきていることでした。

イギリスから返還されてもしばらくは英語教育に力を入れていた香港。

現在、香港の学校では北京語の教育に力を入れているため、若い人で英語を話せない人が多いそうです。

ショップやレストランなどで働いてる20代くらいの若い人があまりうまく英語を話せないのです。

40代以降の香港人のほうが英語が話せる人が多かったように思います。

どんどん中国になっていく香港を肌で感じました。

一国二制度は建前で、最終的には香港は中国に取り込まれてしまうんだろうなと自分が感じたことを、この本は論理的に証明してくれていました。

香港の今後に関心がある方にはとても参考になる予言の本だと思います。

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