出版日:2019年12月27日
ページ数:247ページ
かなりの良書でした。
インバウンドという言葉はよく聞くけれど、あんまりよくわかっていませんでした。
数年前まで東京に住んでいましたが、その時住んでいたのは浅草界隈。
毎日のように大勢の外国人観光客を見かけていました。
夫が単身赴任していた岐阜県高山市も大勢のアジア人観光客が毎日歩いていました。
でも、新型コロナの感染拡大でパタッと外国人観光客がいない状態になりました。
全世界的な感染拡大だから観光客がいなくなるのは当たり前なのですが、それでも、何かあるとあっという間に海外からの観光客がいなくなり、ものすごい影響を受けるのだなと目の当たりにして驚きました。
この本では、日本のインバウンド急発展の経緯、問題点、周辺諸外国の状況などを事細かく調べて書いてあり、とてもわかりやすい内容でした。
東京に住んでいた時、銀座や浅草などで中国人の団体客がバスで乗り付けて大量に買い物をしている光景をよく見かけました。
あんなに大量に買い物してくれてお金落としてくれてるんだなーとぼんやり見ていましたが、なんと、お店と外国人観光客の間に入っているツアーガイド(外国人)にマージンが流れていて、日本にはそんなにお金は落ちていないのだそうです。
しかも、ツアーで巡るお店は決まっているので、外国人観光客がいくらたくさん来ても地元にはそんなに恩恵がなかったりするとのことでした。
最近は団体でのツアーよりは個人旅行が主流になってきているし、一時期よく聞かれた「爆買い」のような大量に物を購入することよりも、何か体験をすることが主流になってきているそうです。
今後はショッピングだけでなく、体験型のイベントなどを求める外国人観光客がますます増えるのではないかと思います。
その点についても、この本では非常によく書かれていて、とても面白かったです。
また、海外からの観光客を呼び込むことばかりに気を取られるのではなく、国内の日本人観光客にとって魅力的なものを見つけていかないと、海外からのお客さんも来ない、日本人のお客さんも来ないという状態になってしまうんじゃないのかなと、ふと思いました。
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