日本におけるポテチの歴史と人気が良く分かる本(めちゃくちゃ面白い!)-「ポテトチップスと日本人」稲田豊史

ノンフィクション

出版日:2023年4月13日

ページ数:352ページ

みなさんはポテトチップスが好きですか?

私はポテトチップス大好きです。

今は2大ポテチ企業湖池屋とカルビーから様々なフレーバーや高級路線の商品なども出ていて、本当に目移りしてしまいます。

そんなポテトチップス、戦後にアメリカから輸入されたのだとばかり思っていたのですが、実は日本人がアメリカのポテチを真似て作ったのが始まりだそうです。

今のような高品質で低価格のポテトチップスが「日本の国民的おやつ」と言っても良いくらいに浸透するまでには、湖池屋とカルビーの熾烈な戦いと壮絶な企業努力がありました。

この本ではお酒のおつまみから始まったポテトチップスの歴史、どのようにして国民に受け入れられたのか、価格帯やフレーバーの工夫、「ポテトチップスは体に悪い」という評判をいかに乗り越えたかなど、ポテトチップス知恵袋が山のように書かれています。

成城石井などの価格帯高めスーパーで「フラ印ポテトチップス」を見かけたことがある人は多いと思います。

私は「フラ印ポテトチップス」はずっと輸入品だと思っていました。

ところがこのポテトチップスはハワイから日本に帰国した濱田音四郎氏が作った純国産のポテトチップスだとこの本を読んで初めて知りました。

また大量生産のポテトチップスを世に広めた最初の会社が湖池屋であり、カルビーは後発だったことも初めて知りました。

(カルビーが広島の会社であることもこの本で初めて知りました。。。無知ですみません)

ポテトチップスがここまで全国に行き渡り、国民的おやつになるまでには並々ならぬ企業努力があります。

揚げてもこげないじゃがいも品種の開拓、大量にうすぎりのジャガイモを揚げるための工夫(設備投資)、「ポテトチップスは鮮度が命」と生産から店頭に並べるまでの時間を短くするための拠点拡大など本当に凄い努力の末にここまで浸透したのだなということが良く分かりました。

加えて高価格帯では庶民の手に渡らないので、徹底的に価格を下げるという企業努力。

それにも関わらず、1990年代半ばには世の中がヘルシー志向を好み、ポテトチップスは「安くておいしいおやつ」から「塩分とカロリーが高い健康に良くないもの」とされ、売り上げが落ちてしまいます。

そこからまた塩分を減らしたりカロリーを抑えるような製造方法を編み出し、起死回生するのが凄いところ。

こういう企業努力に支えられて私たちはおいしいポテチが食べられているのだなあと改めて思いました。

この本では湖池屋やカルビーの限定商品やプレミアム商品に関する紹介も書かれていて、ネット限定や店舗限定で買えることも分かり、機会があればぜひ購入してみようと思いました。

ポテチの歴史や企業努力だけでなく、知らなかったフレーバーや限定商品の紹介まで書いてあり、本当に面白い本でした。

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