発売日:2025年5月30日
ページ数:96ページ
みなさんには大切にしているぬいぐるみはありますか?
私にはあります。子供の頃から大切にしているキツネのぬいぐるみです。
お腹や脚の部分がボロボロになり、布地が擦り切れ、穴が開いてしまいました。
自分で縫ってみようかなと思ったこともありますが、布地全体が弱ってしまっているため、素人が中途半端な修繕をしたら、もっとボロボロになってしまいそうで怖くてそのままになっていました。
綿だけのふわふわぬいぐるみではなく、頭の部分が固い素材でできているぬいぐるみだったので、どこで修理してもらえるのか、何年もわからずにいました。
数年前にテレビで「ぬいぐるみ病院」の特集を見て、プロの技でぬいぐるみを直してくれるところがあることを初めてしりました。
今現在、ぬいぐるみ病院はいくつかあるのですが、その中のひとつ「杜の都なつみクリニック」の院長である箱崎なつみ先生がこの本を書いています。
私が大切にしているキツネのぬいぐるみも、先日杜の都なつみクリニックの診察を受け、現在入院治療中です。

この本は持ち主さんが大切にしてきたボロボロのぬいぐるみのビフォアー/アフターの写真と共にぬいぐるみのエピソードが書かれています。
どのぬいぐるみも大切にされ、たくさん可愛がられてきたことがよく分かります。
アフターの写真ではぬいぐるみ病院での治療を終えてすっかり綺麗になったぬいぐるみ様子が伺えます。
ぬいぐるみ病院での治療は複製を作ることではなく、あくまでも元のぬいぐるみの形や表情を残しつつ、綺麗に洗ってくれたり縫い直してくれたり、損傷が酷い場合は生地の交換もしてくれます。
様々な形、さまざまな生地のぬいぐるみがあるので、ソーイング技術がかなり高くないとできない仕事だと思います。
この本ではぬいぐるみ病院ではどのような治療をしているのか、写真付きで説明されています。
また、「杜の都なつみクリニック」の院長先生と老舗ぬいぐるみメーカー「スターチャイルド」代表の長谷川孝博氏との対談、人形文化研究者の菊地浩平先生との対談、おうちでできる簡単なぬいぐるみケアなども載っています。
ページ数が少ない本ですが、可愛らしいぬいぐるみの写真が満載、ぬいぐるみへの熱い思い、自宅ケアのお役立ち情報まで詰まったとても素敵な本でした。
私のように「大切なぬいぐるみを直したいけど、どこに相談したらいいのかわからない。ぬいぐるみ病院ではどんなことをするのか知りたい」という方にも役に立つ内容です。
新しいぬいぐるみもいいけど、長年大切にしてきたぬいぐるみをきちんとしたところでメンテナンスしたいと思っている方におススメの本です。
コメント