不可能だと思われることを実現してしまった本当に凄い話の本-「ナウシカの飛行具、作ってみた」 八谷和彦 他

ノンフィクション

出版日:2013年9月12日
ページ数:198ページ

「風の谷のナウシカ」は世界的にとっても有名なアニメ映画。

あのアニメに出てくる、ナウシカが自在に操っている飛行具「メーヴェ」。

グライダーのようにも見えるけど、エンジンついてるよね。

あのスピード(結構早いスピードに見える)で特に防具のようなものを身につけずに、人がさらっと乗っかって飛行するって、ありえないよな。

まあ、アニメの中の飛行具だから深く考えなくてもいいのか。

なーんて思っていたら、メーヴェを実際に作ってしまった方がいました。

どう考えても現実に作るなんて無理だよな。と思っていたら実物作れるんだ。凄いな。

メーヴェを作られたのはメールソフト「ポストペット」の生みの親、八谷和彦さん。

八谷さん、職業はメディアアーティスト。

メディアアーティストが飛行具作るの?!と思っていたら、八谷さんは工学部を卒業なさっていて基礎がしっかりある方でした。

でも、まさかメーヴェを作ってしまうとはびっくりしました。

図面作成、模型作成、実寸サイズの機体作成、ゴムで引っ張るグライダーで試験飛行と次々にいろんな試みをやって行きます。

最終的に10年の歳月をかけて、ジェットエンジン搭載して(普通のエンジンじゃなくてジェットエンジン!)、人を乗せて公開飛行まで行いました。

そこまでの道のりを細かく、八谷さんの葛藤なども細かく書かれています。

アニメの中に出てくるものを実際に作れるなんて発想は私の中には全くないので、こういうことをチャレンジする人は本当にすごいと思います。

世の中には架空のものを実際に作る(作れる段階まで持っていく)ことをやってしまう人が、一定数いるんだなあと改めて驚きました。

図面起こして計算して、「やれる!」と思うところまで立ち上げるパワーがすごい。

八谷さんが作ったメーヴェは金沢の美術館で期間限定で展示され、その後公開飛行も行いました。

この本は2013年に出版された本なので、その後どうなったのかなーと思っていたところ、2019年にアメリカで行われた「Airventure Oshkosh 2019」で公開飛行なさっていて、今でもメーヴェが現役であることにこれまた驚きました。

こういうのを見ると、ただただ

「凄いなー」

しか言葉が出てこない。

とても面白い本だったでした。

アニメや小説などに出てくる架空の物は作れないと思っていましたが、その概念がひっくり返される内容でした。

コメント

タイトルとURLをコピーしました