発売日:2021年11月9日
ページ数:336ページ
イタリアに関する本を探していた時に見つけました。
今はどの国でも出版不況で、出版社や書店が閉業に追い込まれるという同じ状況を抱えているようです。
私は読書が好きで毎月大量に本を購入するため「出版不況」と聞いてもあまりピンと来ないのですが、日本でも2000年から2020年の20年間で全国の書店の数は半分にまで減りました。
私もネット通販で本を購入することが多いのでいろいろ言える立場ではありませんが、書店をもっと応援しなければいけないなと思っています。
(便利なのでついつい本をネット通販で購入してしまいます。。。)
この本は読書好きの人には特に響く内容だと思います。
イタリアのヴェネチア在住の著者が近所の書店でたまたま聞いた話から始まる本を巡る旅について書かれています。
その書店の先祖はヴェネチア出身ではなく、イタリア北部の山間の村「モンテレッジォ」の出身とのこと。
一般的にはどこの出身かを聞いても、「へえ、そうなんだ」で終わってしまうと思います。
しかし、その村は代々、本の行商で身を立てていた村でその話に著者はとても興味を持ちます。
食料や日用品の行商は一般的ですが、まだまだ食べていくのも大変な時代に本を売り歩いて生計を立てていたということに著者は驚きます。
そして、その村での本の行商について調べていき、本の行商の歴史、行商人たちの子孫がイタリア各地で書店を営んでいること、モンテレッジォで行われる本のお祭りなどがたくさんの写真と共に紹介されています。
本の行商自体も珍しいし、イタリアにおける書店や出版社の歴史、最近のイタリア国内の本屋事情など、本好きには興味深い内容でした。

イタリアの小さな村にある本屋の話かな?という推測で購入したのですが、本と書籍を巡る壮大な歴史と本の行商という興味深い内容で驚きました。
写真も多く、イタリア国内の書店の陳列方法や書店内の様子なども垣間見ることができて、旅行ガイド程度に思って購入しましたが、予想とは違って本の行商という仕事に関する壮大な歴史と、イタリアにおける本や書店、出版業界に関することまで知ることができました。
とても興味深い内容でした。
海外に行くと電車内や公園などでも本を読んでいる人を割と見かけるし、どんな本を最近読んだかなどの話をしてる人も多いので、日本よりも読書をする人が多いのではないかと思っていました。
しかし、実際はイタリアでも本離れが進んでおり、2016年にはなんと1年間に1冊も紙の本を読まない人が60%に上ったとのことでした。
電子書籍で読んでる人もいるのでもう少し本を読んでいる人は多いのかもしれませんが、それでも本を読んでる人の割合が少ないなーと思いました。
私の周りは読書が好きな人が多いのですが、1年間に1冊も本を読まないという人も見かけるので、全世界的に本を読む人が減っているのかもしれません。
この本は写真も多く、イタリアの小さな村の様々な風景も見ることができるし、イタリアの読書事情、出版事情などもよく分かる、とても興味深い本でした。
読書が好きな方には特におすすめの本です。
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