「ゲス芸人」クロちゃんのイメージが一変する本-「日本中から嫌われている僕が、絶対に病まない理由」クロちゃん

出版日:2023年1月28日
ページ数:208ページ

安田大サーカスのクロちゃんが嫌いでした。

外見がというよりも、すぐに泣いたりグチグチ言ってるイメージが強く、そういうのがなんか嫌だったんですよね。

「水曜日のダウンタウン」というテレビ番組でゲス芸人としての地位を確立してからは、ますます嫌いになりました。

ところが、知人から「クロちゃんのSNS運用術は凄いよ。この本読んでみなよ」と勧められて購入しました。

私もブログを書いたりTwitterを使っているので、SNSの使い方というのは非常に気を遣うところです。

この本を読んでクロちゃんに対するイメージが一変しました。

非常に頭のいい人だなと思いました。

説明が非常に分かりやすく、文章も上手い。

クセが強い性格ではあるけれど、誠実で人望もある。

今までのクロちゃんのイメージが一変しました。

クロちゃんは「クズ芸人」として世間に認知されているため、Twitterで「おはよう」とつぶやくだけで、フォロワーから「死ね」「早くいなくなれ」とか、罵倒のリプが大量に来るそうです。

いくらテレビに出ている芸人とはいえ、毎日毎日そんなリプが見知らぬ人たちから大量に来たら病みますよね。

Twitterだけではなく、クロちゃんが所属している芸能事務所に連日「テレビに出すな」とか「辞めさせろ」という電話も大量にかかってくるそうです。

いくらなんでもやり過ぎだろと思うのですが、クロちゃん本人は飄々とかわしてる。

そのメンタルの強さというか、このような酷い状況においても自分のメンタルをいかに保つかが、非常に分かりやすく書かれています。

クロちゃんは自身のメンタルについて「メンタルが強いのではなく、むしろガラスのメンタル」と称しています。

そこを踏まえて、どうやって自分のメンタルと守るかを非常によく考えています。

メンタル防御術を身につける上で最初に覚えておいてほしいのは、「人の評価はすぐに覆る」ということ。これが鉄則。

「日本中から嫌われている僕が絶対に病まない理由」より

この引用なんて、テレビに出て人前に立つ仕事をしているからこそ得た達観なんだなあと思いました。

クロちゃんのツイートには批判的な意見が大量に寄せられるそうなのですが、それもすべて読んでいるそうです。

「死ね」とか「いなくなれ」とかそういうリプも多いのに全部読むなんて止めればいいのに。。。と思いましたが、「他人の批判は気にしないが、一応耳は傾ける。バランスが大事」と言い切ってしまうところが、本当に凄い。

各章には、全体的にしたたかで上から目線のタイトルがついているのですが(「バカを相手にするほどコスパの悪いことはない」等)、非常に日本語の使い方や言い回し、言って良いことと悪いことの判断基準にストイックさを感じました。

「ちょっと悪ふざけで人のことを馬鹿にしてみた」とかそういうのが一切ない。

そういう部分は本当に凄いと思いました。

ただ、この本では「他罰的思考」「上から目線思考」を勧めているのですが、これは一般人には難しいのではないかと思いました。

確かにあらゆる批判を真っ向から受けて止めていたらメンタルがやられてしまうので、「俺の失敗はお前のせい」(他罰的思考)や「お前の説教を聞いてやってる」(上から目線思考)はとても有効だと思います。

この思考法はクロちゃんだからうまく使いこなせるものであって、一般人が中途半端にこの思考法を使うと「一切反省も努力もしない単なるバカが生まれるだけ」という状況になりそうだなと思いました。

クロちゃんは陰で相当の努力をしている人なので、そういう人だからこそ根拠のない批判や罵倒をかわすために「他罰的思考」を使っているわけで、努力もなにもしない一般人がこれ使ったら単なる嫌なヤツになるだけです。

(メンタルを守るという点では良いのかもしれませんが。。。)

クロちゃんは「きちんと挨拶をする」ことを勧めていたり、自己肯定感を上げて周りに嫌な思いをさせないようにするという、基本的なことをかなりしっかりやっている人なので、それすらできていない人がクロちゃんの真似をするのは無理だろうなと思いました。

その他にも「二番手である時にしっかり勉強してスキルを身につけておく」とか「当たり前のことをコツコツと続けていく」とか、かなりきちんとした人であることが、この本を読んで分かりました。

努力しての「ゲス芸人」なんですよね。本当のゲスだったら、ここまでの人気は出ない。

最後にクロちゃんに近い人たちのインタビューが載っているのですが、それを読んでもクロちゃんが周りから信頼され好かれているのが分かります。

クロちゃんに対するイメージが良い意味でガラッと変わる、素晴らしい本でした。

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