杉浦日向子「百日紅(上)(下)」

小説

出版日:1996年12月1日(上下巻)

ページ数:358ページ(上巻) 346ページ(下巻)

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葛飾北斎の絵はとても有名で一度は誰でも見たことがあると思います。

しかし、葛飾北斎に娘がいて、その娘お栄も素晴らしい絵師であり、北斎の代筆を行っていたということはどのくらいの人がご存じでしょうか?

私は全く知りませんでした。

たまたま葛飾北斎とその娘お栄に関するアニメ映画を見て、そのことを知りました。

原作本がとても気になったので、読んでみました。

あらすじ

葛飾北斎とその三女お栄、弟子で春画絵師の池田善次郎(のちの鶏斎英泉)は3人で江戸の小さなおんぼろ家で同居しています。

その同居生活が淡々と描かれています。

北斎の三女お栄は才能ある画家ですが、北斎の代筆も務めています。

特に大きな事件があるわけでもなく、淡々と日々が過ぎていきます。

当時の北斎の評判は江戸中に響き渡り、次々と絵の注文が入ります。

ぐーたらで気が向かないと絵を描かない北斎は、娘のお栄に代筆をさせたり、自分は飲み歩いて明け方に帰ってきたりという、本当に日常が描かれています。

ちなみにこの本(上下巻)は文庫サイズの漫画です。

江戸の当時の生活や習慣や文化も垣間見ることができます。

この本を読もうと思ったきっかけ

この本を読もうと思ったきっかけはアニメ映画「百日紅」を見たことです。

とても興味深い映画だったため、原作を読んでみようと思いました。

葛飾北斎に娘がいたこと、その娘が絵師で北斎の代筆をしていたことなど、知らないことばかりでとても興味を持ちました。

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アニメ映画自体も淡々とした調子で北斎とその娘お栄、弟子の善次郎の3人の生活が流れていきます。

アニメ映画は原作に非常に忠実に描かれていて、ストーリーも原作通りでした。

また、この原作漫画を描いたのが江戸生活研究家の杉浦日向子さんだったこともこの本を読んだきっかけでした。

杉浦さんはNHKの番組「お江戸でござる」で江戸の生活や文化などについて解説していた方でした。

この番組が大好きでずっと見ていたのですが、いつからか杉浦さんが出演なさらなくなり残念に思っていました。

この映画を見たことで杉浦さんについて調べたところ、2005年に46歳で病気のためお亡くなりになっていたことを初めて知りました。

とても素敵な方だったので、若くして亡くなられたことを知り衝撃を受けました。

そのこともこの本を読んだ理由です。

感想

葛飾北斎という絵師の名前や彼の絵を知っていても、家族やどのような生活をしていたかなどは知りませんでした。

この本は小説漫画ということもあり、江戸の生活や文化、風習も漫画で知ることでできて、とても良い本でした。

著者の杉浦さんは生前、江戸文化や生活について非常に分かりやすい解説をテレビなどでなさっていた方なので、その方の本はとても分かりやすいストーリーでした。

また、杉浦さんが漫画を描かれていたこともこの本で初めて知りました。

非常に優秀で親しみやすい方でしたので、杉浦さんが亡くなったことはとても残念でなりません。

しかし、この本は杉浦さんの遺作として1996年から27年経った今でも廃刊にならず、新刊本として出版され続けています。

江戸文化や風習、葛飾北斎に関心がある方にはおススメの本だと思います。

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