発売日:2018年1月31日
ページ数:112ページ
私にはスロヴェニア人の友人がいます。
彼女と知り合ったのは今から数十年前。
当時、スロヴェニアという国名を聞いてもどこにあるのかよく分かりませんでした。
彼女は物静かで頭が良く優しくて、5か国語を流暢に話す優秀な人でした。
彼女を見ていて「スロヴェニア人は真面目でとても優秀」というイメージが私の中でできました。
最近ではドナルド・トランプ前大統領の夫人メラニア・トランプ氏がスロヴェニア出身ということで、話題になりました。
ずっと気になっていた国のひとつだったのですが、なかなかスロヴェニアについて詳しく書かれている本がなく、最近やっと見つけて読んでみました。
旅行ガイドなどはあるのですが、スロヴェニアの歴史や文化、国内の情勢などについて詳しく書かれて本はあまりないことが分かりました。

スロヴェニアは旧ユーゴスラビアの構成共和国のひとつでした。
ユーゴスラビアは第二次世界大戦後にできた社会主義社会主義連邦共和国で、6つの国から成り立っていました。
1991年~2001年まで続いたユーゴスラビア紛争は記憶してる方もいらっしゃると思います。
スロヴェニアは1991年6月にユーゴスラビアとの連邦解消をし独立します。
人口は200万人ちょっと、面積は2万km2ちょっとの小国であるスロヴェニアは、周りをイタリア、クロアチア、オーストリア、ハンガリーと接している小国です。
もともと社会主義国でしたが、1990年代に自主管理社会主義経済から資本主義的市場経済に上手くシフトしています。
この国の凄いところは、早い段階からヨーロッパ市場を視野に入れていたため、優れた外国語能力、素晴らしい教育を国内で実施し、研究開発費に大きな予算をつぎ込んでいることです。
製造業が盛んで優れた製品を主にヨーロッパに向けて輸出しています。
主な企業も首都のリュブリャナに集中するのではなく、地方都市や街などに分散されていて、人口も一極集中していないそうです。
この本を読んで思ったのは、スロヴェニア人の気質や得意分野が日本に似ており、経済が落ち込んで国自体がどんどん衰退している日本はスロヴェニアを参考にすべきではないのかなということでした。
スロヴェニアは人口もなだらかに増えており、小国でありながら経済も安定しています。(多少の変動はあっても)
この小国がこれだけ豊かでいられるのは、国内や国民への投資に力を入れていて、優秀な国民が多くても「優越感を持たない」ことを徹底しているからと思われます。
日本は確かに経済大国で名を馳せた国ですが、今現在は年々人口が減り高齢化が進み、経済も国力も衰退しています。
地理的な違いや歴史の違いはあれど、力がある小国をモデルとして参考にしながら国を建て直していくのは重要なのではないかとこの本を読んで思いました。
またスロヴェニアはとても美しい国です。
観光で訪れる国としても素晴らしい場所だと思いました。
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