発売日:2019年5月9日
ページ数:176ページ
そういえば、「星の王子さま」って、どんな話だったっけ?とふと思いました。
「星の王子さま、もしかしたら読んだことないかもしれない」と思い、いまさらながら読んでみました。
別々の翻訳者のものを2冊読んだのですが、翻訳者によって解釈や訳がここまで変わる本も珍しいなあと思いました。
調べてみると、10人近くの翻訳者がそれぞれ訳して出版してるんですよね。
こういう本は珍しいなあとそのことにも驚きなたら読みました。
(何人もの翻訳者が訳しているということは、不朽の名作ということなんだろうなと思いました。)

「星の王子さま」って、ずっと子供向けの本だと思っていたんです。
でも、実際に読んでみると、難解すぎて、正直意味がわからない。
私が読んだ本は倉橋由美子さんが翻訳をなさっていて最後に解説を書いてくださっていました。
それを読んでやっと「あ〜、そういうことなのか」とわかった次第でした。
砂漠の中に「私」が飛行機で不時着して、その時に「王子様」と出会うのですが、「王子様」は小さいけど子供ではなく、わがままという訳ではないけど理屈っぽいというか、イマイチ訳わからなくて、「なんだろう、この不思議な展開。。。」と思いながら読み進めました。
本の最後に書かれてる解説では、「私」が砂漠に不時着して、「死」を意識した時に自分の中にいる本来の自分(子供)が「王子様」という形で現れ、本来の自分との対話を繰り広げていくと説明されていました。
そして、8日間が過ぎ、飛行機の修理が無事に終わり、現実の世界に戻るのに、本来の子供の部分である「王子様」のことは「処分」しなければならない。
だから、最後に「王子様」は毒蛇に咬まれて死ぬという形をとって、「住んでいた星に帰る」。
これって、自分の中の「子供と大人」の部分の対時であったり、「体を残して星に帰る」ことが「死」を表していたりするんじゃないのかなと思いました。
あまりにもテーマが深すぎて、面食らいました。
今までずっと、子供の本だとばかり思っていましたが、哲学的で深くて、難解な本だなあと思いました。
「星の王子さま」をきちんと読むチャンスを得られたことはとても良かったなあと思いました。
ふと思い立って読んでみたのですが、思い立たなかったら一生読まずに終わっていたかもしれないので、とても良い機会になりました。
まだ「星の王子さま」を読んだことがない方も、倉橋さんの翻訳はとても読みやすいのでおススメです。
星の王子さまの奥深さを体験してみてください。
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