発売日:2018年3月15日
ページ数:192ページ
数年前にヨシダナギさんの写真展を見に行きました。
ヨシダナギさんはご存知の方も多いと思いますが、TBSの「クレイジージャーニー」という番組で注目を浴びたフォトグラファーです。
彼女はアフリカの少数民族の写真を「カッコよく」撮っている方で、リタッチをかなりやっているとはいえ、色彩や構図の素晴らしさが際立つ写真が印象的です。
私が見てきた写真展では、アメリカとフランスのドラッグクイーン(プロの女装家)の写真がメインでした。
私にはドラッグクイーンの友人が数人いるのですが、海外のドラッグクイーンってかっこいいんだよなーと思いながら見てきました。

テレビで見たヨシダナギさんは、独特の雰囲気とあまり感情が読めない表情が印象的でした。
周りに流されず、独自の価値観や姿勢を感じられる方で、どのような人なのか、とても興味がありました。
この本では、彼女がどのように育ってきたのか、彼女の価値観、生き方などが細かく書かれています。
彼女は小学校4年生の時に東京都内から千葉県に引っ越し、その後壮絶ないじめに遭います。
そのいじめは中学生になってからも続き、中学2年生の時に両親が離婚したことをきっかけに学校に行かなくなります。
学校に行かなくなったのと同時期にネットでブログを書いていたことが注目され、そこからグラビアアイドルとしてスカウトされます。
14〜20歳までグラビアアイドルを、20歳〜29歳(だったかな?)まではイラストレーターをしていたなかなか面白い経歴の持ち主です。
イラストレーターをやっていた時からアフリカに定期的に行き、少数民族の写真を撮ってブログに載せていました。
その写真がこれまたネットで取り上げられ、テレビに出演するようになり、現在に至ります。
テレビで見かける彼女は、精力的な雰囲気は全くなく、むしろ淡々とやっているという感じでした。
この本で彼女は、「やりたくないことは一切やらない」「自分ができないことは努力しない」「人に頼る」ということを徹底していて、これってすごいなあと思いました。
著名な方が「やりたくないことはやらない」を徹底すれば幸せになれるとよく言ってるけど、それをまさに実践してる「生きた見本」。
ここまで徹底して「やりたくないことはやらない」を守っている人は、なかなかいません。
ヨシダナギさんのいくつかの側面は私と似ているなあと思ったのですが、彼女の徹底的な態度は私にはまだまだなくて、彼女の強さに感心しました。
私もできるだけやりたくないことはやらないようにしてますが、彼女のような徹底ぶりにはまだまだ至っていません。
ここまで徹底して自分を貫けると、生きるのが楽になるだろうなあと、この本を読んで思いました。
とても面白くて潔い本でした。
ヨシダナギさんは、アフリカの少数民族の写真から方向性を変える予定があるらしく、そのためのプロセスの一歩として展覧会で発表したドラッグクイーンの写真を撮ったそうです。
今後、どんな写真を発表してくれるのか、とても楽しみだなーと思っています。
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