皆さんはロシア文学を読んだことがありますか?
私はこれだけたくさんの本を読んでいるにも関わらず、未だにロシア文学を読んだことがありません。
ロシア文学とロシア語に興味はあるのですが、「ロシア語難しそう。。。ロシア文学、ますます難しそう。。。」と思ってしまい、未だに食わず嫌いが続いています。
そんな中、この本を偶然読みました。
一言で言うと、この本は「とっても面白かった!」
ロシア文学12作品を大学のロシア文学の講義という形で紹介していく本なのです。
大学の授業を聞いているというとっつきやすいシチュエーションが続いていくので、ロシア文学に対するハードルが低くなりました。
本の舞台はとある大学のロシア文学の授業。
メインの登場人物は教授、学生、学生の友人で6人になります。
その6人を中心にロシア文学の授業や課題の様子、その授業のことをイギリスの住んでいる幼馴染にメールしたりなど、本当に普通の大学生の日常生活を中心に話が進んでいきます。
シラバスから入り、授業でそれぞれの作品を紹介&熟考していく形を取っているのですが、難しいロシア文学の作品を毎回ひとつずつ紹介していきます。
トルストイ、ゴーゴリ、プーシキンなど、毎回別の著者のひとつの作品を取り上げていくのですが、ざっくりとしたその作品のあらすじと、ロシアの社会背景などが説明されながら、平易な文章で進んでいきます。
なので、自分自身もその授業を受けているような感覚になり、とても楽しく読むことができました。
単なる文学紹介ではなく、大学生の友達同士のやりとりやちょっとした恋心などの展開もあり、文学作品の紹介というよりも普通に小説として読んでもとても面白い本でした。
文学作品を紹介したり解説する本はいろいろ出ていますが、難しいロシア文学の解説本を読んでも一般的にはさっぱりわからないと思います。(私も含めて)
ところがこの本は「大学の授業」というストーリー展開でロシア文学作品をひとつずつ紹介していくので、その作品を素晴らしさも「授業」で解説してもらいながら、授業を受けている大学生たちと同じように作品に対して疑問を持ったり、感動したりしながら読み進めていくことができます。
こういう形での文学解説を思いつくなんて、著者の奈倉有里氏は本当に天才だ!!!と思いました。
私は「ロシア文学=超難しい、理解できない」と思い込んで今まで避けてきたのですが、この本を読んで最後の講義で扱っていたトルストイの「復活」を読んでみようと思いました。
この本を読んだ後ならば、少しはロシア文学を理解できるかな。
「ロシア文学に興味あるけど、難しそうで手が出せない」という方に本当におススメの1冊です。
この本を読めばきっと、ロシア文学への抵抗感が減ると思います。
私もこの本をきっかけにロシア文学を読むことに挑戦しようと思います。
コメント