出版日:2020年1月10日
ページ数:224ページ
フィンランド人の友人はフィンランドのとある官庁の官僚をしています。
彼女は事実婚のパートナーがいて、そのパートナーとの間に2人の娘がいます。
とにかく忙しい人で、重要な仕事もたくさん任されており、頻繁に海外出張にも行っています。
でも、彼女の口から
「仕事と家庭の両立が大変だ」とか
「女性の負担が多い」とか
そういう愚痴を聞いたことがありません。
毎年長期の休暇を取り家族と海外に旅行に行ってるし、残業をしてると聞いたこともほとんどありません。
一度、彼女の職場を訪れたことがあるのですが、16時、遅くとも17時には退社、その後は家族とゆっくり過ごしたり、友人と食事に行ったりしてる様子を実際に見ました。
あんなに重要なポストに就いている人で出張もかなり多いのに、残業しないで全ての仕事が回るなんてすごいなとその時思いました。
彼女に限らず、他の職員も全員16時には退社していました。
フィンランドでは残業しないことが有能な証拠であり、遅くまで残業してることは能力がないと判断されます。
職場の歓送迎会などもあるのですが、それらは夜の飲み会ではなく、ランチの時間帯やコーヒーブレイクでの歓送迎会。
夜は完全にプライベートな時間として捉えており、職場の付き合いはほぼありません。
この本ではフィンランドの働き方や人生観、仕事や家庭に対する考え方が紹介されています。
「フィンランド人がなぜ午後4時に仕事が終わるのか」に対する明確な答えは書かれていません。
しかし、社会の土台の違い(徹底的な男女平等)、家庭や仕事に対する日本との考え方の違い、仕事も大事にしているがまずは自分たちのベースである家庭を優先にする姿勢などが理由かなと思いました。
この本はどちらかというと、フィンランドは凄い!と良い部分だけが強調されて書かれています。
ただ、フィンランドでは離婚率が高いことも事実であり、家庭を大切にする価値観があってもそういう裏事情もあります。
日本も働き方改革で少しは変わろうとしていますが、「社畜」という言葉があるようにまだまだな状況です。
日本の少子高齢化は他国に比べると非常に深刻ですが、フィンランドのような働き方や賃金体系は日本の少子化対策の参考になるのではないかと思います。
すべてをフィンランドのようにするのは無理ですが、見習うべき点は取り入れていくほうが良いのでは?と思います。
コメント