発売日:2023年6月12日
ページ数:240ページ
英語を含む外国語を学び始めると他の人の勉強方法や外国語学習のきっかけが気になり始めます。
学習方法の本はたくさん出版されていますが、外国語を学んだ経験談や外国語を学んだことでどのように人生が変わっていったのがが書かれている本を読むのはとても興味深いなあといつも思っていました。
そんな時に見つけたのがこの本です。
著者である黒田龍之介氏は現在、大学でロシア語を教えたり、通訳翻訳をなさっているロシア語のプロです。
高校生の時に東京の代々木駅東口にあったミール・ロシア語研究所という語学学校に入学します。
12年間この学校でロシア語を学んだ思い出がこの本には綴られています。
ミール・ロシア語研究所は学長である東一夫氏とその妻である多喜子氏が1958年に開校。
ロシア語の語学学校として一目置かれる存在でしたが、2013年に55年間の歴史に幕を閉じます。
黒田氏がミール・ロシア語研究所で学んだことやその時のクラスメートや先生との思い出、その後どのようにロシア語を極めていったかなどが綴られている本でした。
英語学習についての本はたくさん出版されています。
昨年からイタリア語を学び始め、英語以外の外国語を学んでいる人の経験談を読みたくなりました。
そんな時に出会ったのがこの本です。
基本的には外国語を学ぶ方法はそんなに変わらないと思いますが、やはりそれぞれの言語で特徴があります。
英語学習と同じ方法でも問題ないとは思うのですが、他の言語はどのように勉強しているのだろうと興味がありました。
特にロシア語は習得するのが難しい外国語のひとつですから、著者がどのような思いでどのように学習していったのか知りたいと思いました。
最近は「簡単に英語(外国語)がマスターできる学習法」が流行っています。
でも、この本を読むと「外国語習得に楽な道はない」ということが良く分かりました。
時代は変わっても外国語を習得するには地道な努力が必要で、楽して簡単にマスターする方法などない。
以前に比べると便利な外国語学習アプリやYouTubeなどもたくさんありますが、結局、毎日コツコツ勉強していかなければ、どんなに便利なツールがあっても外国語をマスターすることはできないんだなと思いました。
黒田氏がミール・ロシア語研究所でロシア語を学んだのは30年以上も前のことですが、発音や数詞をきちんと覚えること、何度も繰り返し音読し綺麗な発音を身に着けていくことなどは、現在でも重要なことです。
この本には外国語学習法の真髄が書かれていると思いました。
また、自分が学んでいる外国語がどれだけ好きか、興味を持てるかが学習のモチベーションにつながることもよく分かりました。
英語以外の外国語を長く学んで、その道のプロになった方の経験談を読むことは自分が外国語を学んでいく上でとても参考になりました。
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